転入初戦でダービー制覇とはいかがなものか

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2016年の東京ダービーはバルダッサーレの圧勝に終わった。

4月末に中央で500万を勝った直後に大井に転入し、ここが初戦。
7馬身差の圧勝は、上がりタイムも抜群でまさに圧巻。
環境の変化に順応した馬はもちろん、ここを照準に絞った陣営の見事なレース選択
また他馬との比較検討が難しい中で3番人気に押し上げるファンの目はすごいと思った。

が、どうにもこうにも白けてしまったのはあたしだけだろうか。

なんだろう美味しいところだけを持っていかれたような、
外国馬がJRAに転入してきて初戦のダービー優勝?
外国人が帰化してオリンピック出場して金メダルで日本万歳みたいな。

もちろん上記のとおり、馬や陣営を咎める気はなく、
見事な采配だと賞賛したい。

そもそも、バルダッサーレには、
東京ダービー出走の資格はあったのかと気になって調べたところ、
平成28年度第4回大井競馬競走番組表からは、サラブレッド系3歳馬の5月19日の予備登録締め切りと6月5日の出走投票が記載されているのみ
平成28年度大井競馬番組からは特にこの時期の3歳馬に言及している項目はない。

さらに、トライアルレースでの出走権利取得や、そもそも南関東での出走経験がなく、
賞金額で除外されるのではと思ったが、
中央で収得した賞金は、500万円とそれを超える金額の60%の額を加算した額と記載されており、
バルダッサーレの中央での賞金は18,525,000円
(18,525,000-5,000,000)*0.6+5,000,000=13,115,000
で13,115,000円。
出走予定の16頭のうち、13番目の収得賞金順で除外とはなり得なかった。

賞金順で一番最後に出走叶ったウワサノモンジロウが南関東の特別3勝を含む内容で11,218,000円
南関東重賞で2着と3着のあるプレイザゲームが13,670,000円であれば、
例年も、中央で5着以内の賞金が2000万程度あれば、充分出走可能であると言えそうだ。

今年の東京ダービーの結果から、二つの主催者に苦言を呈したい。
まずは大井競馬である。

大井競馬のより上を目指す姿勢は賞賛すべき点であり、
強い馬の転入を認めるのは、競走の質を高め、
大井、ひいては地方競馬のレベルの向上を促す良い点である。

しかし、今回のように大レース直前で移籍してきてレースを勝ち、
また直後にどこかに移籍してしまう可能性は否めない。

この状況をファンは納得するだろうか。
地方競馬を見に来るお客さんは少なからず、
地方馬、地方勢を応援しているものだ。
それはダートグレードレースで地元馬が勝った時の歓声を聞けば分かるだろう。
特に地元馬が地元デビューの生え抜き馬だと更にファンは多い。

中央からの転厩を拒めとは言わないが、特に大レースの前であれば、
せめて1戦は南関東で出走経験がなければ出走資格が取得できないようにならないだろうか。

次に中央競馬である。
なぜバルダッサーレが大井に転厩したかを考えなければならない。

答えは簡単。
レースがないからである。

以前、当ブログ内で書いたように、
3歳の春先のダート路線はオープン特別が数戦組まれるだけの不遇なカテゴリー。
バルダッサーレはユニコーンSを待つことなく、出て行ってしまった訳である。
それも当然であり、ユニコーンSは1着賞金3500万円、東京ダービーは4200万円。
一地方のローカル重賞とはいえ、中央のG3より高額なレースなのである。

通常地方に転厩となれば、都落ちなイメージがあるが、
この転厩はかつてのアラブの名馬イナリトウザイのように
戦う場所を求めてのものである。

ちなみに、歴史的な扉をこじ開けようとアメリカで戦っているラニ
戦う場所を求めて中央を後にした3歳ダート馬である。

個人的には、海外競馬も地方競馬も好きなので、
バルダッサーレとラニのような馬が見られれば、
これはこれでいいのかと思うところもあるが、

3歳でダート適性を見出した馬たち全てが、
海外や地方に目を向けなければいけない状況は健全とは言えないだろう。

重賞戦線改革 3歳ダート重賞の確立
で書いたように、重賞は設置すべきだし、
最低限平場オープンでも構わない、ダートレースに出走できる状況だけは作ってほしい。

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