JBCから思う 未だ実現しない全競馬場での持ち回り 

今年もJBCは盛況だった。
売得金が4,849,805,050円で地方競馬レコードを更新したとのこと。

大井競馬場で行われたJBCは今回で6度目。

大きな売り上げも見込めるだけに、
安定している大井ばっかりで、
なぜ赤字で苦しんでいる競馬場で開催されないのかと
疑問に思うが、実はそう簡単な問題ではないらしい。

JBC開催は持ち回りと言われているが、
実は立候補する必要がある。

さらに立候補した競馬場のうち、内規を満たす競馬場で開催が決定されるという。

つまり、JBCのような大きなイベントごとをやるには、
ある程度の競馬場の器と、質が必要ですよということらしい。

過去15回のJBCで、施行された競馬場は、
6度開催の大井、
2度開催の盛岡、川崎、名古屋(川崎は2016年度に3回目の開催が控えている)
1度だけ開催した船橋、金沢、園田
であり、上記の競馬場は既に実施されているのだから基準を満たしていると考えられる。

大井競馬場が他に比べ開催回数が突出しているのは、立候補がない場合の、
受け入れ先の意味があるようで、他になければ大井でやるとのことらしい。

未だJBCが開催されていない競馬場は、門別、水沢、浦和、笠松、姫路、高知、佐賀
このうち、水沢と姫路は同じ主催者(それぞれ盛岡と園田)が開催している。

同じ主催者でJBCが開催出来れば恩恵は受けられるだろうし、
JBCの売り上げが回転して、水沢や姫路が基準を満たすように、改善していけば、
先々でいずれ開催出来るだろう。

しかし門別、浦和、笠松、高知、佐賀では、少し考える必要がありそうだ。

JBCで売り上げをアップさせたいが、
そのJBCを開催するため、基準に適合させるための設備投資に莫大な金が必要という
なんとももどかしい状況である。

内規は公にはされていないが、おおよそ興業的な部分として収容人数、発売窓口や交通手段。
またレースとしては走路の設置、フルゲート数などが推測されるが
過去、JBCスプリントをJBCマイルとして実施するほど柔軟性があるのだから、
距離なんて長いのと短いのが出来れば問題ないだろう。
フルゲートは過去のJBCから最低でも12頭か。

競馬場の規模としては、門別が大井、盛岡に匹敵する最大級のサイズであり、
実にチャンピオンを決めるレースをするにふさわしいコースである。

浦和は南関東では最小規模。
2000mのフルゲートが11頭ではいただけない。
枠順の有利不利も大きく、南関東で唯一Jpn1がないのも頷ける。

笠松もフルゲートが10頭と厳しい。

高知はレベルや賞金の水準から、厳しいと思われがちだが、
1400mで交流重賞を実施しているし、フルゲートも12頭と開催可能のように思える。

佐賀は交流重賞を2つ、それも1400mと2000mを実施しており、
問題はなさそうだ。

姫路は走路が広くフルゲートも12頭なのだが、
スパイラルカーブを導入しておらず、コーナーがきつい。
園田がアラブからサラブレッドに転換した際にスピードに対応できるよう、
大幅な改修を行ったが、姫路は行っておらず、
交流重賞が実施されないのもこういった背景にありそうだ。

水沢はフルゲートは12頭で、コースの問題はなさそうだが、
岩手県としては、どうせやるなら、集客もよく、きれいな盛岡でと考えるだろう。

収容人数の観点からは、
門別の収容人数は著しく低く、1300人程度だが、
名古屋競馬場が7000人程度の収容人数でJBC開催が出来たとなれば、
門別以外のほとんどの競馬場では収容人数は問題ないと考えられる。

アクセスは、過去JBCを開催した競馬場の中では、盛岡が最も悪い。
筆者もダービーグランプリを見に行ったことがあり、
盛岡駅から無料送迎バスで30分程度と、非常に遠いが、
無料送迎バスが出ていれば問題ないとも思える。
特に公共交通機関の最寄である必要はなさそうだ。

以上より、まず開催が実現できそうなのは、門別、高知、佐賀の3つ。
コースの問題はなさそうだし、収容人数で問題あるならば、
入場料を上げたり、完全前売り入場券にするなどして対応できそうだ。

入場料アップに関しては、競馬法では、農林水産省令で定める額以上の
入場料を徴収しなければならないとあるだけで、上限の記載はない。
一律100円、200円を徴収しているようだが、高くても問題はないわけだ。
また上記は中央競馬の記述であり、地方競馬での入場料については定めがない。

そもそもが、電話投票やネット投票が充実している昨今に、
競馬場で馬券を買わなければならない訳でもないだろう。
困るのは、売店か周辺の商店か。
それでも収容人数一杯は集客できるだろうから、十分に経済効果はありそうだ。

特に門別は札幌競馬場での開催権を所持しているホッカイドウ競馬であるので、
札幌をパブリックビューイングとしてもいいだろうし、
まず一度札幌でJBCを開催して、売得金でスタンドを大きくする手段もあるだろう。

競走馬生産の中心である北海道でのJBC開催は、一つのポイントではなかろうか。

高知、佐賀に関しても、売り上げ低迷で困窮しているだけに、
是非とも打開の一手として、JBC開催に漕ぎ着けたいと思う。

問題は、浦和と笠松。

浦和はフルゲート11頭がネック。
スタンド前からの発送は12頭なのだが、向正面は1頭分狭い。
広くしようにも、周囲は住宅街でこれ以上拡張の余地はなさそうだが、
馬一頭分くらいはなんとか確保して、フルゲート12頭が欲しい。
収容人数は30000人で、南関東で最下位の売り上げとレベルと言えども、
他の地域に比べれば、羨む数字である。
2001年度に累積赤字25億円を計上してから、何とか最近は黒字に転換しており、
さらなる起爆剤としてJBCを実施したいところだ。

最後に笠松であるが、
ここは駅からも徒歩で行けるほどアクセスがいいが、
フルゲートは10頭と現在の地方競馬では最少。
立地が木曽川のほとり故、拡張するスペースはありそうだが、
1990年代から赤字が続き、既に廃止検討が何度も。

賃金、賞金も減額しダートグレード撤退もこの影響である。
さらに土地施設賃貸借問題も抱えており、先行きは不透明である。

先行きが不透明だと負のスパイラルは続き、
馬資源、人資源も他場や中央に移籍の可能性を示唆し、
いつの間にやら、売り上げも賞金額も一部あの高知を下回り、
地方競馬最低水準であるらしい。
かつてオグリキャップなどの名馬を、
安藤勝己などの名手を生み出した地方の雄「笠松」の面影はすでにない。

すでに単体でJBC開催に漕ぎ着けるのは夢のまた夢なのか。

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