凱旋門賞に向けて 海外遠征で結果を残すためには①(血統編)

2014年凱旋門賞には、日本から過去同時出走としては最多の3頭が出走する。

ハープスター、ゴールドシップ、ジャスタウェイとそうそうたる顔ぶれだ。
この3頭の血統背景はというと、ここ数年、凱旋門賞で良積を残した日本馬と同様
父父にサンデーサイレンスである。
過去、凱旋門賞で好走した日本馬は、外国産のエルコンドルパサーを除きサンデーサイレンス系である。

サンデーサイレンス、エルコンドルパサーの父キングマンボはアメリカの血統であり、
あまり欧州に向いていないようだが、これらの馬には母系の影響が色濃く出ているように思う。
オルフェーヴルの母父系はジェベルに辿り着く、スタミナ十分のマイバブー系であるし、
ナカヤマフェスタも母父系はリボーに辿り着く。
エルコンドルパサーにしても欧州であれだけの成績を残せたのは母系のサドラーズウェルズがあったからだと思う。
毎日王冠までは単なるミスプロ系程度にしか思わなかったが、ジャパンカップ以降はサドラーズウェルズ系になっていた。
とても器用な馬だと思う。産駒にしてもソングオブウインド、トウカイトリック、アロンダイト、ヴァーミリアンなど、そのタイプは幅広い。
血統背景からいうとどれも、芝の中距離血統でおさまりそうなものばかりだが。

逆にキズナは父系も母系もアメリカ型の血統背景でよくあれだけ好走したなというイメージである。
キズナの父である、ディープインパクトもロンシャンの芝は苦労していたように思う。
そもそもサンデーサイレンスはアメリカのダービー馬、ヘイルトゥリーズン系は日本では中長距離型に思われている節があるが、元来短距離血統である。

ディープインパクトにおいては、父母ウインドインハーヘアがドイツで2400mのG1を勝ってはいるが、イギリスのG1では善戦止まり。
又母父系もリファールなので、アメリカ型のマイル血統である。(リファール自体はフランスで走っていたが、大きな勝鞍はジャックルマロワ賞でマイル止まり。)
ただし、面白いことに、ディープインパクトが3位入線した2006年の優勝馬レイルリンク、2着のプライドもアメリカ型の血統であり、この年は馬場状態が他の年と違っていたという印象もある。

閑話休題。

さて今年出走する予定である3頭の母父系はどのようなものかというと、
ハープスターは、母父系にエリシオを輩出したフェアリーキング、母母系に凱旋門賞馬トニービンを持つ。
ゴールドシップは、母父系は日本血統だが、遡れば凱旋門賞馬ジェベルに辿り着く。
また母母系にはダービー、キングジョージを勝ったザミンストレルがいる。
ジャスタウェイは、母系がアメリカ型若しくは欧州短距離型で、他の2頭に比べると裏付けが物足りない。

今回の凱旋門賞だけでなく、海外のレースに勝つためには、
そもそもがその御当地の血統背景が必要なのではいうのがある。
つまり欧州で勝つには欧州型の血統背景、アメリカで勝つならばアメリカ型の血統背景がどこかに必要になるのではないか。
2007年にメイショウサムソン陣営が凱旋門賞挑戦を掲げた時、
メイショウサムソンの血統背景から
父オペラハウスは1993年に凱旋門賞3着、キングジョージ優勝。母父ダンシングブレーヴは1986年の凱旋門賞を圧勝。
そして母母系を辿っていけばガーネツトに行き着く日本の古い血統で、それも元を正せばスウィンフォード系のイギリス系の重厚な血統になる。

血統的な背景は凱旋門賞を狙うのにぴったりだという思いから、前年のディープインパクト以上に期待したものだが、
馬インフルエンザの影響で出走できず、翌年の挑戦も全盛期を過ぎ、レース中の不利もあり敗退した。
当時国内ではディープインパクトの方が強いことは明らかであったが、舞台を海外に変えて見れば逆転も十分にあるのではないかと思えた。

デルタブルースがオーストラリアでG1を勝ったように、日本で最強ではなくとも、海外であれば十分勝負になるという場合もある。
実際デルタブルースの場合、血統全体を見ればアメリカ型なので、3200mが3分21秒のレースでよく勝てたという印象があるのだが、
父母系のニジンスキーや母母系にあるアレッジドが色濃く出ているのではないだろうか。
血統背景とは直接関係はないが、よく「これを勝ったら海外遠征」とか「国内で成績を残したら海外遠征」ということが海外遠征の条件に挙げられるようだが、全くの逆であると思う。
むしろ、「国内で成績が上がらないから海外遠征」、「日本の馬場は合わないから海外遠征」というのが妥当な条件ではないだろうか。

日本の芝と欧州の芝は違う、日本のダートとアメリカのダートは違うという認識があるならば上記のデルタブルースのようなことも頻繁に起こるのではないか。

結論として、欧州に遠征するのであれば、欧州型の血統背景を持った馬。
アメリカに遠征するのであればアメリカ型の血統背景を持つ馬が断然有利。
果たして今年の凱旋門賞、日本馬に勝機はあるか。

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