凱旋門賞に向けて 海外遠征で結果を残すためには②(展開編)

シーキングザパールのモーリスドギース賞、
タイキシャトルのジャックルマロワ賞、
エルコンドルパサーのサンクルー大賞典、フォワ賞、凱旋門賞、
アグネスワールドのアベイユドロンシャン賞、ジュライカップ。

以上は欧州の大レースで日本調教馬が勝利若しくは善戦した馬名とレースであり、この7つのレースで共通していることがある。

それは全てのレースにおいて日本調教馬が先行または逃げているということである。

面白いことに上に挙げた馬が全て、元々先行馬又は逃げ馬であったという訳ではない。
シーキングザパールは切れ味で勝負する差し馬だと思うし、エルコンドルパサーにしても差し馬という方がしっくりくるのではないか。

現に凱旋門賞で逃げたときには、道中不安に思ったものだ。
ただそれでも前々で競馬をして結果を残している。
もちろん先行すれば勝てるという訳ではないし、欧州にもダンシングブレーヴのような差し、追い込み型の名馬だってたくさんいる。
ただ、脚をためて切れ味で勝負をしても日本馬では勝てないということ。
結局慣れない欧州の深い芝では切れ味が殺されてしまうということであると思う。

近年良積を残している、オルフェーヴルなどは後方から競馬をしていたが、
特に2度目の凱旋門賞では、フォルスストレートを抜けた辺りでは先団に取りついていたし、
ディープインパクトも国内で走っていた時よりも前々で競馬をしていた。

欧州では日本のように多頭数で競馬が行われることは殆どなく、ダービー、キングジョージ、凱旋門などを除けば、大レースにおいても10頭に満たない場合が多い。
また一団で競馬が進むことが多く、日本のように縦長の展開になることもあまりない。
競馬場が広く、アップダウンが激しい。

これが何を意味するかというと、展開はさほど重要な意味を成さず、最後は地力勝負になるということである。
2頭で競馬をすれば、「紛れれば」「展開次第で」ということは皆無で強いほうが確実に勝つだろう。

欧州の競馬の原点がそれであったように、今もその大きな流れは変わらないように思う。
アメリカでも前々で競馬をするのが基本だと思うが、欧州とは流れが違う。
欧州では最後が自力勝負になるので前で競馬をしないと脚を余すことになるが、アメリカではスタートから自力勝負なので結果的に前で競馬をせざるを得ない。

後ろで脚をためても、前の馬はスタミナがある限り止まらない。
小回りで直線もそれほど長くないから、後ろからは届かない。
だからスタートからスタミナの削りあいで前で競馬をする。

短距離だろうとスタミナ勝負になっている。
アメリカの馬は全てがサイレンススズカカブラヤオーだと私は勝手に思っている。
勝手に思っているのだが、そう思うとアメリカの競馬も想像し易い。

これはドバイのダートも同じようなことだと思う。
ドバイの芝と香港は本来なら欧州経由で成り立っているのだから欧州型の競馬になってもよさそうだが、
ここは日本と同じようなアメリカと欧州の中間型になっている。
(日本はイギリスを模範とした芝主体の競馬体系だが、アミューズメント化を進めたアメリカ型に推移。)

まず競馬場がオーバルコースで所謂「ダウンズ」ではないから欧州よりアップダウンが少ない。
かといってアメリカのような小回りでもなく、そこそこの大きさはある。
芝は日本より柔らかくスタミナを必要とするが、欧州ほどではない。
アメリカほどではなく、欧州ほどでもない。
結果、スタミナの削りあいになるわけでもなく、自力勝負だけになるわけでもない。

ここに展開の要素が絡んでくる。
ステイゴールドやエイシンプレストンがそうであったように、日本での競馬をそのまま持ち込んでも勝負になる舞台であるということである。

結論。

欧州やアメリカでは、前で競馬をすることが前提となる。
ハープスター、ゴールドシップ、ジャスタウェイとも中団で競馬を進めて行くタイプだが、
本番ではどのような位置取りになるのか。

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