モレイラの活躍から考える短期免許と専属契約

札幌はジョアン・モレイラの大活躍だった。
特に最終日は8戦6勝、2着1回、3着1回とすべて馬券に絡み、
前日からの騎乗機会7連勝と武豊の持つ記録に並ぶなど、
モレイラを馬券検討から外すことは外れることと同義となってしまった。
来年も来ると言っており、その時もまた騎乗依頼が殺到することだろう。
短期免許制度ができたのが1994年で、今年で22年目。
オリビエ・ペリエなどの活躍によって、制度初期から、
外国人騎手の巧さは目を見張るものがある。
秋口のヨーロッパの騎手や、夏場の南半球の騎手など、
その外国人騎手の主戦場にしている地元がオフシーズンになるあたり、
一流外国人騎手も日本に訪れることも多く、
外国で競馬を見たことのないファンも、外国の名手の腕を堪能でき、
日本人騎手も、世界の腕を間近に見ることが出来、
日本人騎手のレベルの底上げも期待出来るという、素晴らしい制度である。
しかしこの制度、一部に弊害がある。
やはり出走する馬の数が限られているあたり、外国人騎手が来日し、
騎手の頭数が増えれば、JRAの所属騎手の騎乗機会は少なくなってしまう。
もちろん下手な騎手の騎乗機会が減り、巧い外国人騎手の騎乗機会が増えるのは当然だが、
そうでない場合も多いのが、今の日本競馬の悲しいところである。
まず第一に、短期免許の外国人騎手だというだけで、騎乗依頼が集まる異常さ。
どこの馬の骨かもわからないような騎手に、来日初日から
新馬を依頼し、重賞を依頼し、外国人騎手全員が、デットーリだと思っているのだろうか。
騎乗依頼を出すのは、調教師か馬主か。
身元引受なら、最低限の騎乗馬を用意するのが筋だろうが、
日本人の困った西洋かぶれか、
外国人騎手だと言うだけで、ありがたがって乗せるのはいかがなものか。
そもそもド下手くそを招いて、わざわざ騎乗馬を用意するお人よし。
馬を見る目はあるのかもわからないが、騎乗技術を見抜く目はないようだ。
JRAが短期免許の外国人騎手の人数を見直すのは、
日本人騎手を保護する流れとしては当然かもしれないが、
これでは当初の中央競馬の発展と騎手の技術向上という目的にはつながらない。
技術向上が目的である以上、門戸は常に開いておくべきである。
修正すべき課題は、異常に偏る騎乗依頼であって、
その根底にあるのは、現状のエージェント制度であり、
成績の責任をとる必要のない厚遇された調教師であろう。
JRAは騎手学校の学費を免除する試みを始めたようだが、
いざ騎手になっても、下手くそな外国人騎手に騎乗馬が流れ、
巧くなるための騎乗機会にも恵まれない、そんな職場を果たして選ぶだろうか。
今のJRA競馬学校にも、もちろん改善しなければならない課題は山積みであるが、
人を集めるための学費を免除など最後の手段であって、
こんなことを初手で使ってしまっていては、JRAの浅はかさが露呈するだけだろう。
まず改善すべきはエージェント制である。
参照:エージェントの問題点
次に、馬主/調教師と騎手が専属契約を結べるように規定を作成するべきである。
現在の短期免許制度では、身元引受調教師と馬主が必要になるわけだが、
この身元引受によって、短期免許騎手はある意味、調教師、馬主と専属契約を結ぶ訳であり、
他のJRA所属の(特にフリー)の騎手よりも、調教師、馬主との結びつきが強くなる。
これを同等に引き上げるのが、専属契約の目的であり、
もちろんそのまま身元引受も専属契約と切り替える。
JRAの騎手には専属契約と類似する、厩舎所属騎手というシステムがあるのだが、
ほとんどがフリーを選択する現状、金の問題や、雑務、調教の問題など、
きちんと分業されていなかったりで、新人騎手以外はほぼ機能していない。
1948年に調騎分離が厳格に適用されたとなっているが、
調教師がレースで騎乗できないのは当然としても、現在でもなお当然のように、
調教で騎手がまたがっているのは調騎分離が厳格に適用されたと言えるのだろうか。
調教ならまだしも、厩務をこなす所属騎手もあり、分業とは名ばかりである。
短期免許制度側で整備するなら身元引受調教師と馬主を廃止してもよいが、
就労ビザなどの関係があるのかもしれない。
やはりここは厩舎所属ではなく、専属契約という形をとれるようにすべきで、
それぞれを自由契約とすれば、
騎手の進上金は5%、調教師10%という定額制は止めるべきである。


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