使い分けが悪いのではなく使い分けできる日程が悪い

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2頭の無配三冠馬とG18勝三冠馬の動向が注目され、
三冠馬対決が実現するかというニュースが連日報じられている。
現状ではジャパンカップでそれが実現するという予定ではあるが、
この状況にどうも納得が行かないと思うのは筆者だけであろうか。
確かに歴代最強馬であると名乗れそうな競走馬3頭が一堂に会するというのは、
注目すべきレースではあるが、これが当然だと思うのはおかしなことなのか?
三冠馬が偶然にも同じ時代に3頭存在する。
これは極めて稀な例である。
(2012年にオルフェーヴル、アパパネ、ジェンティルドンナの3頭が同時に現役であったが、対戦には至らなかった。)
この点に注目するのはいいと思う。
ただ、その年のクラシックホースが、3歳戦を終えたら古馬G1に駒を進めるのは当然ではないか。
(その他にも大きな勲章を携えているだけで)菊花賞馬と秋華賞と天皇賞馬が、その後のレースで激突するのは、
必然ではないのか?
三冠を戦った馬なのだから、当然主戦場はクラシックディスタンスなのであろう?
この後、年内に控えている古馬クラシックディスタンスのレースはジャパンカップと有馬記念の2レースである。
昨今はジャパンカップに向かう有力牝馬が多いが、古馬牝馬のG1として設定しているのであれば向かうはエリザベス女王杯。
牝馬がジャパンカップに向かうかどうかは置いておいて、
いずれにしても、それぞれの馬が順調であれば、この後のレースで激突するはずなのである。
皐月賞馬とダービー馬と菊花賞馬と桜花賞馬とオークス馬と秋華賞と天皇賞馬7頭が一堂に会する方が奇跡であって、
逆に言えば3頭でいいわけだ。
秋華賞馬が有馬記念に挑む例、菊花賞馬が有馬記念に挑む例、天皇賞馬が有馬記念に向かう例。
これらはそれほど珍しいことではない。
珍しいことではない例と、三冠馬が3頭登場した今現在に本来であれば、
「3頭が激突するかもしれない」
でワクワクするのではなく
「今年の有馬記念は楽しみだなぁ」
が正しいのではないか。
ここでひとつ。
競馬がつまらなくなったという一つの要因として、「使い分け」がある。
大馬主や大牧場が、自身が所有する競走馬の競合を避けるためにレースを分けることがある。
ファンとしては、馬の所有が誰であろうと基本的には関係ない訳で、
強豪同士の対決はいつもファンの期待であろう。
しかし、所有者側の意見として当然のことだと思う。
一つのレースに優勝カップは一つしかないわけで、2頭で同じレースに出すよりも、
賞金額が概ね似たり寄ったりの日本競馬では、この場合「二兎」追った方が良さそうだ。
2つ取れれば賞金も多いことだろう。
・有馬とJC制覇で6億、どちらかが2着でも4億2000万
・有馬記念かジャパンカップをワンツーで4億2000万
ファンと大所有者の意見の食い違いは立場上、仕方ないと思う。
ただこれらをきちんとまとめられる立場があるはずだ。
主催者である。
使い分けられるような日程を作り出し、それを放置。
メディアが見当違いの内容で騒ぎ立てるものだから、盛り上がっているとでも勘違いしているのだろう。
もっと盛り上げることはできるはずである。
香港国際競走に出走するのであれば、まだわかる。
違う主催者なので、当然馬資源の確保に尽力するのは義務である。
アジアでの国際競走の最高峰の地位は、すでに香港国際競走に奪われた。
国際招待競走でありながら他国の競走馬が1頭も出走しないレースに価値はない。
クラシックディスタンスの総決算は有馬記念であり、
当然年末の大一番にその年の顔が出てくるのが相場である。
出る出ないが報じられている段階で、現在の重賞日程はアウトなのである。
日本の主催者が日本の最強馬を決定するローテーションを作れなくてどうする。
連日のメディアの煽りに思うのは主催者が作った最悪な重賞日程である。
役者は揃って当然なのであって、
役者が揃うかどうかでファンが騒ぐような状況はきっと、
不健全で本来あるべき姿ではないと思う。

競馬コラム

Posted by 函館孫作