キズナの敗戦から思う天皇賞春

フェノーメノの連覇に終わった春の天皇賞。
断然の1番人気にキズナは4着に終わった。
戦前から距離適性について、懸念があったようだが、それが結果として表れてしまった。
ここ数年、フェノーメノを含め、ビートブラック、ヒルノダムール、ジャガーメイル、マイネルキッツなど、かなりのステイヤーが盾を下賜されているように思う。
さて、キズナの戦績を見てみると、今回の天皇賞春参戦は異常であると言える。
凱旋門賞に挑戦したこともあって、菊花賞には参戦しておらず、天皇賞春以前の最長距離は2400m。
明らかにクラシックディスタンスにカテゴライズされる競走馬である。
キズナ以外にも、天皇賞春に参戦した一流馬を見れば、オルフェーヴル、ゴールドシップもそうだし、ディープインパクトまで遡ってもいい。
春のこの時期のローテーションは、明らかにカテゴリーを飛び越えてレースに出ているように思える。
ジェンティルドンナ、ブエナビスタ、ウオッカなどの牡馬と同等かそれ以上に戦った牝馬勢は、天皇賞春には参戦していない。
(ブエナビスタ、ウオッカはマイル寄りにカテゴリーを飛び越えたが。)
一部は、天皇賞春のステップレースと位置づけられている大阪杯などをステップにして、2ヶ月後の宝塚記念に直行したり、
海外のレースに目を向けたりしながら、ローテーションを組んでいる。
日本はまだまだ欧州ほど、カテゴリーが明確に分けられてローテーションが組まれているわけではないが、
それにしても、1年間の古馬G1戦線が2000m~3200mと1200mも差があるのはいかがなものか。
天皇賞春をローテーションに組み込まなければ、2000m~2500mに納まり、特に距離適性について問題視されるような状況は生まれないであろう。
要するに、クラシックディスタンスを主戦場にする馬達の適鞍がこの時期には存在しないのだ。
30年前に改革された天皇賞秋のように、そろそろ距離を見直すべきではないかと考える。
しかしながら、国家元首の名を冠していたり、戦前から同一距離で施行されていたり、春は天皇誕生日に施行されていたりと、伝統的な部分が大きく、
他のレースに比べ、メスを入れづらいことは間違いない。
天皇賞春を短縮してしまうと、長距離の最高峰が無くなってしまうことも問題だろう。
そこで、この時期にクラシックディスタンスの大レースを創設を提言したい。
阪神で行うと、宝塚記念と場所が重複してしまうので、3回京都の開幕週あたりで2000or2400mの施行はどうだろうか。
今回のキズナ参戦は、陣営がどう判断したか定かでないが、凱旋門賞に挑戦するにあたって、何かの糧になったのであろうか?
ここ数年の凱旋門賞馬を見てみれば、3000m以上のレースに出走したことのある馬は、2002年優勝のマリエンバード(メルボルンC7着)くらいのもので、
その他は、長距離重賞が豊富なフランスでさえ、1981年のゴールドリヴァーまで遡ることになる。
カテゴリーを飛び越えて活躍する馬は、とても魅力的で、筆者も実のところ大好物で、
タケシバオーや、アグネスデジタルの戦歴を見ているだけで楽しいものなのだが、それとこれとは別に考えたい。

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