何のためのG1なのか 血を残せないG1馬
少し前の競馬ブックをパラパラとめくっていたら、あるものに目が止まりました。
登録抹消 デルタブルース ノーザンホースパークで乗馬
G1優勝馬は問答無用で種牡馬になると思いこんでいましたが、
まさかこのような処遇があるとは。
確かに主な勝ち鞍はメルボルンC、菊花賞、ステイヤーズSで、
現在主流の短距離、早熟の血統ではなく、
あまり人気が出ないことは明白ですが、だからこその貴重な血統になるはずです。
アメリカの様に、ダートかオールウェザーの8F~10Fに集中した競走体系でもなく、
フランスの様に、ダービーがミドルディスタンスに変更される訳でもなく、
日本競馬は、未だクラシックディスタンス~エクステンデッドの賞金が高額なことから
長距離の競走が重んじられていることが分かります。
八大競走の勝ち馬が血を残せないとなれば、一体何のための馬匹改良なのでしょうか。
古くは、カイソウなどの例もありますが、
今現在は、馬政局もありませんし、軍馬の資質をあげる必要も無くなりました。ですが、
興行のためだけでなく、優秀な血統を残すために競馬が行われていることも、また事実です。
今や日本はパート1国に昇格し、日本の競走馬生産は市場を広げることになりました。
世界に目を向ければ、デルタブルースの血を必要とするところもあるかも知れません。
果たしてデルタブルースが種牡馬になったとしても、生産は民間を介すので、
良積を残せるとも限りませんが、可能性は残す必要があるのではないでしょうか。
また、逆に血統背景だけが注目されて種牡馬入りする競走馬がありますが、
それならば、レースというリスクを負わずに種牡馬入りさせれば良いでしょう。
血統の良し悪しは、机上で見るものではなく、
競走成績によるものでないとならないのではないでしょうか。
今や、日本の種牡馬は殆どが内国産になり、
種牡馬の墓場と揶揄された時代は終わりを迎えています。
JRAは海外から種牡馬を購入するよりも、
国内の種牡馬、血統を保護すべきなのではないでしょうか。
また、ダート競走のG1、Jpn1勝ち馬が種牡馬にならず、乗馬になるケースも多々あります。
日本競馬(中央競馬)は芝の競走を主体としており、
ダート競走は芝コースの保全のために存在するため、ダート馬は冷遇されてきました。
しかし、実際は約半数がダートコースで行われており、
地方競馬を含めると、芝コースの競走の10倍以上のレース数がありますし、
昨今は、ダートグレード競走が充実し、ダート競走でもG1競走が行われます。
ダートで強い血統を残さなくて良い理由はないのではないでしょうか。
また、障害競走も日本では行われており、
規模は小さいながら、その体系は維持されています。
ダート馬のみならず、障害もグレード制を導入している以上、
血統を残してもいいのではないでしょうか。
(中山グランドジャンプを2回優勝したゴーカイが種牡馬入りしている例もあります。)
G1競走の勝ち馬で種牡馬にならずに乗馬、誘導馬になった例
(過去20年程度抜粋、個人調査)
●芝
デルタブルース
(父ダンスインザダーク、母父ディキシーランドバンド)
主な勝ち鞍:メルボルンC、菊花賞
サンデーサイレンス系×ノーザンダンサー系で日本ではポピュラーな血統も、勝ち鞍が長距離に偏ったため、生産者から評価されません。
オーストラリアで最優秀長距離馬を受賞した馬が乗馬とは寂しい。
ロジック
(父アグネスタキオン、母父サクラユタカオー)
主な勝ち鞍:NHKマイルC
母系を辿れば、サクラユタカオー、シンザン、トサミドリと重ねられた、日本の血統。
3歳前半までを見れば、仕上がりの早さとスピードは兼ね備えていると思います。
マイネルレコルト
(父チーフベアハート、母父タイテエム)
主な勝ち鞍:朝日杯FS
母系にはセントクレスピンやヴェンチアと貴重な血があるが、重さゆえに生産者から評価されず。
2歳時のスピードは世代屈指。かつ父チーフベアハートは中距離を主としながらも、ダートや短距離、長距離にも活躍馬があるので、幅広い産駒が期待できそう。
エイシンチャンプ
(父ミシエロ、母父マニラ)
主な勝ち鞍:朝日杯FS
ミスプロ系×ノーザンダンサー系で割とポピュラーな血統だが、成績がいま一つで種牡馬になれませんでした。
しかしながら、フロック視されている、朝日杯もレースレコードで優勝しており、潜在能力の高さの片鱗は見せていました。
ダンツフレーム
(父ブライアンズタイム、母父サンキリコ)
主な勝ち鞍:宝塚記念
リファール系×ネヴァーセイダイ系の母系が生産者から評価されず。
短距離から長距離まで善戦していただけに、幅広い産駒が期待できそうでしたが。
●ダート
ダート競走の勝ち馬は、競走成績が全体的に評価されない場合が多い。
サクセスブロッケン
(父シンボリクリスエス、母父サンデーサイレンス)
主な勝ち鞍:ジャパンダードダービー、フェブラリーS、東京大賞典
ヘイルトゥリーズンの4×4があり、使い辛い血統ではあります。
フィールドルージュ
(父クロコルージュ、母父リンドシェーバー)
主な勝ち鞍:川崎記念
ナスルーラの血が強く、一時はブームの血統も最近は評価されません。
ブルーコンコルド
(父フサイチコンコルド、母父ブライアンズタイム)
主な勝ち鞍:JBCスプリント、マイルCS南部杯3回、JBCマイル、東京大賞典、かしわ記念
ノーザンダンサー系×ロベルト系で、こちらも割とポピュラーな血統。
GⅠ7勝馬が乗馬では、ダート馬の価値が上がる訳もありません。
アロンダイト
(父エルコンドルパサー、母父リヴァーマン)
主な勝ち鞍:ジャパンCダート
ミスプロ系×ナスルーラ系で、スピードに傑出した血統に思える。
地方のダートでは充分に通用する血統だと思いますが。
ストロングブラッド
(父トウカイテイオー、母父ガルチ)
主な勝ち鞍:かしわ記念
トウカイテイオー産駒のG1牡馬だが種牡馬入りしなかったのは残念。
ヘイルトゥリーズンが入っていないので、サンデー系の牝馬に合うような気もします。
ワールドクリーク
(父マジックミラー、母父ミシシッピアン)
主な勝ち鞍:東京大賞典
半弟にスマートファルコンがあり、ダートで優秀な血統だが、種牡馬入りしませんでした。
フレンドシップ
(父フレンチデピュティ、母父スタルワート)
主な勝ち鞍:ジャパンダードダービー
血統に特筆点はないが、フレンチデピュティの後継として、クロフネ、エイシンデピュティの代用に充分なり得ると思います。
マイネルコンバット
(父コマンダーインチーフ、母父ノーザンテースト)
主な勝ち鞍:ジャパンダードダービー
ノーザンダンサーが4×3では使い辛い。
●障害
障害競走の勝ち馬は、競走成績が全くと言っていいほど評価されない。
マルカラスカル
(父グラスワンダー、母父トニービン)
主な勝ち鞍:中山大障害、中山グランドJ
スクリーンヒーローと3/4が同じ血統いう点を評価してもいいのではないでしょうか。
テイエムドラゴン
(父アドマイヤベガ、母父マルゼンスキー)
主な勝ち鞍:中山大障害
サンデーサイレンス系×ノーザンダンサー系。父アドマイヤベガからはメルシーモンサンも出ており、
障害に明るい血統であるが、その辺りは評価されないものでしょうか。
ビッグテースト
(父ノーザンテースト、母父クラフティプロスペクター)
主な勝ち鞍:中山グランドJ
全姉の産駒にカンパニーがあり、評価されてもおかしくはありませんが。
ギルデッドエージ
(父ティンバーカントリー、母父ノーザンテースト)
主な勝ち鞍:中山大障害
ミスプロ系×ノーザンダンサー系。父系、母系それぞれにクロスが複数あり、使い辛い血統かもしれません。
ユウフヨウホウ
(父ラグビーボール、母父カツラノハイセイコ)
主な勝ち鞍:中山大障害
半兄に既に種牡馬入りしているゴーカイ(稀な例)があり、
全兄にユウセンショウで、長距離に偏った血統では評価され辛いかもしれませんが。
ランドパワー
(父グロウ、母父ハードツービート)
主な勝ち鞍:中山大障害
母系のハードツービートがどうにも評価し辛いですね。
メジロファラオ
(父アレミロード、母父モガミ)
主な勝ち鞍:中山グランドJ
リボー系×リファール系で殆ど評価されない血統ですが。
●功労馬繋養展示事業対象にされず消息不明となった例
プライドキム
(父アフリート、母父リアルシャダイ)
主な勝ち鞍:全日本2歳優駿
アドマイヤホープ
(父フォーティナイナー、母父ビーマイゲスト)
主な勝ち鞍:全日本2歳優駿
この2頭は種牡馬入りどころか、G1優勝馬にも関わらず消息不明の馬です。
上記の種牡馬入り云々、功労馬繋養展示事業がもっと生産会に浸透することが望まれます。


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