役目を終えたジャパンカップ

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今年も日本馬の優勝で幕を閉じたジャパンカップ。
「世界に通用する強い馬づくり」の提唱の元、創設され、
新興レースながら八大レースの様相にまで成長してきたジャパンカップだが、
すでに成長は終え、老い始め、役目を終えたと言っても過言ではない。
1984年には参加国が8、1994年には外国馬の出走が11頭、
参加国の多さから「世界一の競走」「競馬のオリンピック」と呼ばれたのも今は昔。
ここ10年連続で日本馬が優勝し、外国馬のレベルも年々低下傾向にある。
ジャパンカップは周知の通り、招待レースである。
外国馬の関係者の輸送費、滞在費、交通費、宿泊費を全額JRAが負担し、
「手ぶらで良いから是非レースに出てくださいね」というレースであるにも関わらず、
一流馬はこぞってジャパンカップを辞退し、香港やブリーダーズCに回る。
(香港も招待レースである)
極東日本のレースには高い賞金であっても、二の足を踏む何かがあるということか。
単純に、前後に存在するブリーダーズカップと香港国際競走
に馬資源を奪われていると考えられる。
これらのレースは、一日に複数のG1レースを実施しており、
出走させるにあたり、魅力のあるイベントになっている。
対してジャパンカップは、ジャパンカップダートと同じ日程で実施されたこともあったが、
現在ではジャパンカップ1レースのためだけに来日しなければならない状態である。
ジャパンカップダートが存在したところで、選択肢は2つでBCや香港に遠く及ばず、
JCダートがそもそも外国馬が出走し難いダート馬場や右回り、距離などの問題を抱えており、
同時施行でも改善はなかったが。
さて、JRAは役目を終えたジャパンカップを、どうしたいのか。
いくらファンに、日本と世界の激突とアピールしても、外国馬は貧弱で、
いくら招待しても有力馬は来日しない。
賞金額を上げても来日しない。
ターニングポイントとしては、外国馬が2頭しか来なかった2006年、
結果的に参加国がイギリスのみになった2008年(アメリカのマーシュサイドが感冒で取消)
を見てテコ入れをしておくべきだったのだろうが、
現状はご覧の通りである。
筆者の考えるテコ入れ案としては、
従来から提言している、ジャパンカップの年末への移動、
有馬記念廃止案
ブリーダーズカップの様な、複数重賞レースの開催。
の上記2点をまずは提言したい。

競馬コラム

Posted by 函館孫作