ジャガーメイル引退から思うステイヤーの意味

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5月9日 ジャガーメイルが引退した。
おもな勝鞍は2010年の天皇賞・春で、今後は乗馬となる予定だ。
ここ最近の春の天皇賞を勝馬の引退後の処遇が寂しいと思っている。
2009年のマイネルキッツ、2012年のビートブラックも引退後は乗馬となっており、
2008年のアドマイヤジュピタも種牡馬となったものの、わずか1シーズンで乗馬へ用途変更となっている。
この4頭ともにG1勝ちは天皇賞春だけであった。
また、春の天皇賞程ではないが、菊花賞馬のデルタブルースもメルボルンCを勝ちながらも種牡馬になれなかった。
一方で、G1勝利がスプリンターズSや高松宮記念のみの競走馬は、血を残せている。
スタミナが豊富な血統は不要であると時代が語っていると言えよう。
関連ブログ:何のためのG1なのか 血を残せないG1馬
関連ブログ:キズナの敗戦から思う天皇賞春
さて、種牡馬になる道もなく、活躍する場も縮小されて、ステイヤーはどこに向かうのか。
ステイヤーを厚遇せよと言っているわけではない。
ただ、スプリンターと同等に機会を与えるべきなのではないか。
JRAには是非2つのことを実現してもらいたい。
1つ目は、長距離重賞を拡充しておくこと。
最低でも年間ローテーションは守れるよう、クラシックディスタンスの延長ではなく、
エクステンディッドとして路線を確保してもらいたい。
2つ目は、G1馬は全て、血を残すチャンスを与えて欲しいこと。
これはステイヤーに限ったことではなく、ダート馬、障害馬にも言える。
G1(最高峰のレース)を勝利したことをきちんと評価して欲しい。
ダートも障害も長距離も、日本競馬の根幹ではないことは重々承知している。
しかしそのカテゴリ、活躍の場が存在する以上、根底の馬産も必要であろう。
民間の牧場が利益の出ない種牡馬を維持していくのは、厳しいことと思う。
なればこそ、JRAが率先して、種牡馬として維持管理を行うことは不可能なのか。
種付け料を低価格(無料)で提供すれば、血を残せる可能性はあるのではないか。
いつかその血が必要になることがある。
血の選択肢は多いに越したことは無いはずだ。
一度種牡馬を引退してしまったり乗馬となってしまうと、去勢される事が多く、
取り返しのつかないことがある。
功労馬繋養展示事業の枠を広げ、功労馬となる以前に、
一つ道を残しておいて欲しい。
話は若干逸れるが、血統に明るい人であればセントサイモンをご存じだろう。
1881年に生まれたセントサイモンだが、
血統的には良血とは言えなかった。
良血を求めるが故に行われたインブリードの影響で血統の飽和状態で、
交配が難しくなっていた時代だった。
逆にマイナー血統だったセントサイモンに、種付け注文が殺到し、
セントサイモンの血統は一時代を築くことになる。
急激に勢力を伸ばしたセントサイモン系は、
結局はセントサイモン系の飽和を招き、衰退していくことになるのだが。
2013年の日本のリーディングサイヤーの上位10頭の内、7頭がサンデーサイレンスの仔。
リーディングブルードメアサイヤーがサンデーサイレンス。
ノーザンダンサー系が席巻し、サンデーサイレンスが旋風を巻き起こした1995年。
今度はサンデーサイレンス系の配合は容易ではないように思う。
今や、国内の馬産の努力もあり、外国産が減り、父内国産がリーディングの上位を占めている。
ファンとして、とても魅力のある血統が競馬場で走っている。
血統飽和を起こして、サンデーサイレンス系の内国産血統が衰退していく可能性も否めない。
その時、また外国の種牡馬を頼るのか?
種牡馬の墓場と呼ばれた時代は、今は昔。
今や海外にもサンデーサイレンス系はある。
元々のノーザンダンサー、ミスタープロスペクターで溢れているのは、どの国も同じことだろう。
だとすれば、サンデー系が海外で旋風を巻き起こす可能性もある。
(日本の馬産の様な、偏りはあまり見られない。
 社台のおかげで日本の馬産は向上したが、社台のおかげで日本の血統は偏っている。
 社台のライバルがあれば、日本の血統も偏らないだろう。)
海外の種牡馬が本当に血統飽和の救世主になるのだろうか。
そんな危惧をすれば、どんな血統でも大事にしたくなる。

競馬コラム

Posted by 函館孫作