菊花賞改善案
キタサンブラックが優勝し、
何かと話題が多かった今年の菊花賞だが、
一番のポイントは、キタサンブラックの血統背景にあると思う。
前走ではダービー2着のサトノラーゼンを含む馬たちを抑えて優勝したが、
本番は距離が長いとみられ、単勝5番人気と伏兵扱い。
明らかに、母の父のサクラバクシンオーの影響であろう。
普段血統を背景に馬券を買わない人たちもさすがにこれは、
気になるようだった。
父サクラバクシンオーは平成初期の名スプリンターであり、
自身の勝ち鞍11のうち、7つが1200m、4つが1400m。
1600m以上は9戦して1度も勝ったことはない。
さらにはサクラバクシンオーが日本で走っていた競走馬であり、
ほとんどの競馬ファンが知っていたと言うのも影響していたようだ。
さらにもう一つ人気が出なかった理由として、
セントライト記念は菊花賞に直結しないということもある。
初代三冠馬セントライトの名を冠したレースであるが、三冠最終戦の菊花賞に繋がったのは、
今から31年前のシンボリルドルフまで遡る必要があり、
セントライト記念組、特に優勝馬は菊花賞で活躍しなかった。
※むしろ2、3着馬のほうが、菊花賞で馬券になっていた。
さて菊花賞の話をしよう。
菊花賞はイギリスのセントレジャーを範とした競走であり、
3歳G1の最終戦、最も長い距離を走り、スタミナを必要とするレースである。
日本では、未だに距離のカテゴリ分けが明確でなく、
それは距離が長くなるにつれて顕著である。
例えば、1200mを得意とするスプリンターは、長くても1600mまでの挑戦で終わるが、
2400mをこなした馬は3200mを挑戦だとあまり感じていない。
JRAのローテーションの作り方に問題があるということもあるが、
結果的に距離が長かったと言い訳する関係者も少なくない。
本場のセントレジャーは、既にトリプルクラウンの意義は薄れており、
ダービー馬がセントレジャーに出走することはまずない。
2012年にキャメロットが三冠に挑戦したが、むしろ出走すると話題になったほどだった。
日本においては三冠は至高ではあるが、三冠挑戦でない場合、
同時期の天皇賞(秋)に回る場合もあり、本場のクラシックと同じ衰退の道を
歩む可能性も秘めている。
そもそもが長距離を走破するスタミナを持つ馬が名馬とされていた時代の名残であり、
レースの中心が2400m→2000mと変遷しようとしている時代。
長距離の重要性は軽んじられ始めている。
その最もたるが、
2010年のビッグウィーク、2004年のデルタブルースが種牡馬になれなかった例であろう。
菊花賞はクラシック競走であり、その最大の重要性は
最もスタミナのある優秀な繁殖馬を選定するということである。
だからこそセン馬は出走することが出来ない。
ビッグウィーク、デルタブルースの2頭は、
その血統背景がスタミナに偏り過ぎていることから、
種牡馬入りを見送られ、乗用馬となっている。
ビッグウィークは菊花賞後は、あまり競走成績が芳しくなく、
障害入りもしたが、デルタブルースは日本馬初のメルボルンCの勝ち馬である。
長距離血統の競走馬が迫害されていることも懸念されるが、
クラシック馬が種牡馬になれないという、こういうところが、
状況を悪化させているのであろう。
今年のキタサンブラックは逆に言えば、
この後、万が一勝てなかったとしても、種牡馬入りは確実だろう。
サクラバクシンオーの秘めたるスピードが主たる評価になり、
菊花賞を勝つほどのスタミナも兼ね備えている。
さらに言えば、今をときめく大種牡馬ディープインパクトの
全弟のブラックタイドが父であり、父系の血統裏付けは完璧である。
さて、本当に菊花賞の話をしよう。
長距離レースが必要なく、不要な時代。
菊花賞馬が種牡馬にもなれず、血を残せない。
にも関わらず、出走条件だけは厳格で、
伝統と格式だけは重そうなこのレースは、菊の名を冠しているからであろうか。
フランスも、アイルランドも、ドイツも、
イギリスのセントレジャーを範にしたレースの一部は、
既に改革を進め、古馬開放を実施しており、
セン馬が出走できるセントレジャーもある。
果たして、種牡馬としての道が見えないレースのままで良いのだろうか。
とここまで、菊花賞を改革しようという方向で話してきたが、
実際、筆者は菊花賞が大好きである。
クラシック最終戦の位置づけ、京都といい、その名称の語呂といい。
唯一ケチをつけるなら、3000mという中途半端な距離ではなく3200mという2マイルで実施してもらいたいところなのだが…
ということで
菊花賞の改善というよりも、クラシック馬の処遇改善が急務であり、
クラシック優勝馬は、引退後は必ず種牡馬になれるような道を作ること。
また競馬番組の全体的な長距離の充当が必要で、厚遇せよとは言わないが、
最低限長距離馬が、1年を通して活躍できる場を作って欲しい。
菊花賞はこのままでいいのだ。
菊花賞をこのままの形で、意義で残していくためには、周囲の環境を
整えてあげる必要があるということ。
長距離をこのまま冷遇すれば、いずれ菊花賞も、
衰退するセントレジャーと同じ道を辿るだろうし、
3000m級で歯止めをかけなければ、
その雪崩は、2400m級、2000mと順に降りてくるだろう。
かつてヒートが廃れ、ダッシュが隆盛したように、
とまでは行くはずもないと思うが、
重賞以外で3000m級など、ほとんど見ないし
条件戦では2000m級も珍しい。
菊花賞同日の東京では
ダートが1400~2100、芝が1400~2000。
既に、距離の多様性は無くなり始めている。
※地方競馬はダート主体とした競走で、
馬資源も限られていることから、むしろ距離の多様性を無くしたほうがよく、
2000以上の競走は無くすべきだと考えるが、それはまた別の機会に。


ディスカッション
コメント一覧
こちらのBlog。他の改善案は同意しにくかったが、菊花賞は必要は同じ意見です。
もう一つ踏み込むなら、天皇賞秋は4歳以上にすべきだと思います。どの馬も3000mに合わせた配合などしてなく、その調教技術を競うのも競馬の醍醐味。フェノーメノに至っては、翌年天皇賞春を勝つのに、菊を回避してるなど罰金を課しておかしくありません。
3歳馬が逃げないためにも天皇賞秋の改善が必要だと思います。
ご意見ありがとうございます。
秋天に関しては、未だ自分の中に改善案を持てずにいます。
なるほど4歳以上にしてクラシックの道に3歳馬を閉じ込めるとしても、
バブルガムフェローのような活躍馬もいたわけですし、目標がなくなれば海外に逃げることも十分に考えられますから、
難しいところでしょうね。