弐段逆噴射

第二章〜馬の品種〜

この第2章以降なんとかアラブの出現までを
紐解いていこうと思うのだが、
前章からアラブ出現を繋げてしまうのは実は無理がある。

それは何故かというとアラブという品種は
突然歴史上に現れてしまうからなのだ。
前章のエクウスの出現からアラブの出現まで
およそ1万年の時間があるが、
本章ではエクウスから派生した品種について紐解きつつも
アラブまで手繰り寄せて行きたいと思う。

現在馬科には、
エクウス・カバルス(馬)、
エクウス・アッシヌス(ロバ)、
エクウス・ヒポティグリス(シマウマ)
が存在する。

全てエクウス(馬科)という名前が付いているが、
1万年前のエクウスの血を引いているのは
エクウス・カバルスのみだと考えられ、
ロバ、シマウマに関しては前章にも記述があるが、
プリオヒップスから派生した品種であると思われる。

エクウス・カバルスの祖先として
エクウス・フェルス、
エクウス・グメリニ、
エクウス・アベリーという3種に分けることができ、
現存する野生種のエクウス・プルシェヴァルスキーという品種は
エクウス・フェルスに属すると考えられ、
アジアから東ヨーロッパに分布する蒙古馬がそれに当たる。

エクウス・グメリニはタルパンという名で知られ、
これも最近まで野生種として生きていた。
この品種についてはエクウス・プルシェヴァルスキーと
同一種であるという説や、
現在の家畜種の祖先がタルパンであるであるという説もある。

また、エクウス・アベリーは大型馬で
ペルシュロンやシャイヤーに繋がると考えられる。

世界の馬の品種は現在50種類以上を数えるが、
ロバ、シマウマ、グレービーシマウマを除けば、
生物学的に見て単一種である。
それは、どの種を交配しても、
子が繁殖能力を無くすことはなく種を維持していけるからである。

しかし、体高150cm以下のポニーや、体重1tを越える重種、
時速60kmの速さで駆けるサラブレッドが単一種であるなどとは、
外見を見ただけでは判断しかねる。
この1万年の間にここまで馬の種類が多様化したのは、
人と馬との繋がりがあり、
近代の馬の進化には人の手が加えられているからである。

家畜化された馬は
ゲルマン馬(ポニー)、
中ヨーロッパ馬(重種)、
東ヨーロッパ馬(東洋種)、
イラン山岳馬(アラブ、バルブ)、
蒙古馬(野生種)、
アメリカ馬(アメリカ野生種)の6種類に分けられる。

ゲルマン馬は北ヨーロッパの山岳地帯で家畜化され、
小型馬の
シェトランド・ポニー、
フィヨルド馬、
ハンガリー馬、
ハーフリンガーなどがそれに当たる。

中ヨーロッパ馬はケルト人によって家畜化され、
シャイヤー、
ペルシュロンといった重種の祖先になる。

東ヨーロッパ馬もケルト人により家畜化されたが、
こちらは小型で現在のケルト・ポニーに当たる。

イラン山岳馬はアラビア人や古代ペルシャ人により家畜化され
アラブ、バルブの原型となる。

蒙古馬は前述の通り、エクウス・プルシェヴァルスキーである。

アメリカ馬はポルトガル人によって家畜化され、
アメリカに持ちこまれ、その後野生化した種類である。
アメリカン・トロッターやクォーターホースなどに
この血が入っているのではないか。

ここまでエクウス・カバルスの祖先や家畜馬が種として
明確に分けられているように思うが、
結局は単一種であるということと、
家畜化され、輸送や戦争の道具として用いられ、
本来の野生での分布ではなく、それ以上に広がってしまったこと、
人為的に交配して主としての形が作られてしまったことにより、
実は明確には分けられないのではないか。

第一章〜馬のルーツ〜
第三章〜アラブ〜


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